障がいのある方々への支援の決意を新たにする会長談話 ~「津久井やまゆり園」における事件を受けて~
2016年08月03日更新
平成28年7月26日に、障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」に入所されていた多くの方々が亡くなられ、また重い怪我を負うなど理不尽な被害を受けられました。当会は、この痛ましい事件について心からのお悔やみを申し上げるとともに、怪我を負った方々の一日も早いご回復をお祈りいたします。また、困難の中、この施設で今も生活をされている入居者の方々や支援を続けておられる関係者の皆様が一日も早く平穏な日々を迎えられるよう心からお祈りいたします。
当会は、これまで障がいのある方々と共に歩むために、障がい者差別の解消や障がい者虐待への対応など神奈川県下で多くの活動を行ってまいりましたが、今回の事件を受けて、障がいのある方々やそのご家族らのためにより一層の支援を行いたいとの決意を新たにしました。障がいの有無にかかわらず、個人の尊厳を守り、相互に尊重し合える共生社会の実現を目指し、障がいのある方々に対するあらゆる差別に毅然と立ち向かっていく覚悟です。
今回の事件については、様々な報道がなされておりますが、まだ犯行の全体像の解明には至っておりません。このような悲劇が二度と繰り返されないためにも、また事件の真相を明らかにするためにも、今回の事件は、冷静な科学的視点から、また理性的な法的観点から多角的に調査される必要があります。
ところで、今回の事件では、被疑者が犯行前に受けたいわゆる「措置入院」を巡る取り扱いについて見直しを検討する動きがあります。しかし、そもそもこの事件の全貌や犯行に及んだ原因や背景が解明されていない状況で、あたかも措置入院の制度が今回の事件の一因であるとしてこれを見直す動きを行うことは、拙速のそしりを免れません。そして、これは精神障がいのある方々の人権一般を脅かしかねません。措置入院の制度や退院後の支援のあり方については、今回の事件に関するあらゆる事実を詳細に解明した上で、有識者による冷静な分析と議論が行われることが必要であると考えます。
今回の事件では、直接被害にあわれた方々の救済はもとより、障がいのある方々への差別解消のあり方、精神医療・福祉のあり方、犯罪被害者報道のあり方など、障がいのある方々の人権に関わる多くの課題が浮き彫りとなりました。当会は、このような課題に神奈川県で活動する法律家集団として真剣に取り組み、障がいのある方々との歩みをより強固にしていく所存です。
以上
2016(平成28)年8月2日
神奈川県弁護士会
会長 三浦 修
引用:障がいのある方々への支援の決意を新たにする会長談話 ~「津久井やまゆり園」における事件を受けて~|神奈川県弁護士会
2016年8月3日水曜日
引用:障がいのある方々への支援の決意を新たにする会長談話 ~「津久井やまゆり園」における事件を受けて~|神奈川県弁護士会
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